警察官や銀行員を名乗る詐欺に注意!キャッシュカードが狙われる手口と対策
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最近、警察官や銀行協会職員などを名乗り、ご自宅を訪問したり、電話をかけたりして、キャッシュカードをだまし取ろうとする詐欺が多発しています。大切な財産を守るためにも、こうした巧妙な手口を知り、適切な対策を講じることが非常に重要です。
この記事では、キャッシュカードを狙った詐欺の具体的な手口と、万が一の際に被害に遭わないための対策について、分かりやすく解説いたします。
巧妙化するキャッシュカード詐欺の手口
この種の詐欺は、権威のある立場を装うことで、私たちを信用させようとします。主な手口は以下の通りです。
警察官や銀行協会職員を名乗る電話
突然、ご自宅に電話がかかってきて、以下のような内容を告げられるケースが多く見られます。
- 「あなたの口座から不審な引き出しがありました」
- 「キャッシュカードが不正に利用されている可能性があります」
- 「古いキャッシュカードは使えなくなるので、新しいものと交換が必要です」
- 「あなたの口座が犯罪に利用されている恐れがあります。証拠品としてキャッシュカードを預からせてください」
これらの言葉で不安を煽り、被害者を信じ込ませようとします。
自宅訪問と「すり替え」の手口
電話で相手を信用させた後、「キャッシュカードの確認のため、職員を自宅に派遣します」などと言って、実際に自宅を訪れるケースがあります。
訪問してきた人物は、警察官や銀行協会職員を装い、身分証明書を見せることもありますが、これは偽物です。
そして、「カードが不正利用されていないか確認します」「封筒に入れて保管が必要です」などと言って、キャッシュカードの提出を求めてきます。
- カードの「すり替え」: 被害者が暗証番号を入力するよう促し、その隙にカードを別の偽物とすり替える。
- カードの「だまし取り」: 「不正利用防止のために預かります」と言って、そのまま持ち去ってしまう。
このようにしてだまし取られたキャッシュカードは、すぐに不正に利用され、預金が引き出されてしまいます。
狙われやすいのは「権威を信じやすい方」
この詐欺は、警察官や銀行員といった「公的な立場」や「専門家」を装うことで、疑う気持ちを抱かせにくくします。特に、テレビや新聞といった公的機関からの情報を主な情報源とされ、こうした権威ある存在を信用しやすい方が狙われやすい傾向にあります。
被害に遭わないための具体的な対策
大切なキャッシュカードと財産を守るために、以下の点にご注意ください。
1. 「キャッシュカードを渡す」「暗証番号を教える」は絶対にダメ!
警察官や銀行協会職員が、ご自宅を訪問してキャッシュカードを預かることや、電話や訪問時に暗証番号を聞くことは、絶対にありません。 これを要求された場合は、すべて詐欺だと考えてください。
2. 一度電話を切り、自分で確認する
不審な電話がかかってきた場合は、すぐにその場で返事をせず、一度電話を切ってください。 そして、ご自身で警察署やご利用の銀行の正規の連絡先を調べ、確認の電話をかけるようにしましょう。詐欺犯が教える番号は偽物ですので、決してかけないでください。
3. 訪問者を安易に家に入れない
身元がはっきりしない人物を、安易に自宅に入れるのは非常に危険です。ドア越しに話すか、家族やご近所に相談してから対応するようにしましょう。
4. 家族や信頼できる人に相談する
「こんな電話がかかってきたけれど、どう思う?」と、ご家族や信頼できるご友人に相談する習慣をつけましょう。一人で抱え込まず、客観的な意見を聞くことで、冷静に判断できることがあります。
5. 防犯機能付き電話の活用
着信があった際に、自動で録音したり、相手に警告メッセージを流したりする「防犯機能付き電話」の導入も有効な対策です。詐欺犯は録音を嫌うため、電話を切る可能性が高まります。
まとめ:日頃からの心構えが大切です
警察官や銀行員を名乗る詐欺は、私たちの不安を巧みに利用し、大切な財産を奪おうとします。
「キャッシュカードは、どんな理由があっても他人に渡さない」「暗証番号は、誰にも教えない」という二つの原則を、常に心に留めておいてください。
もし、不審な電話や訪問があり、詐欺の被害に遭いそうになった、あるいは遭ってしまったと感じた場合は、一人で悩まず、すぐに警察や最寄りの消費生活センターにご相談ください。
- 警察相談専用電話:#9110 (全国どこからでも、緊急性のない相談を受け付けています)
この情報が、皆さまの安心な暮らしの一助となれば幸いです。